井出さとる
裾野市の25歳から49歳までの人口動態には大きな課題があります。状況が改善されなければ裾野市の20年後、30年後の地域を支える年齢層が脆弱になってしまいます。
子育て世代の想像を超える転出超過
裾野市の子育て世代の想像を超える転出超過(社会減)は、今後加速度的に地域活力の低下につながるとの危機感を持っていますが、裾野市の政策は最も大きな問題、課題に対し直接的、効果的なアプローチができていないと感じています。
裾野市の人口減少は平成22年からの10年間で、須山、富岡、深良、東の集落地区は合計▲3,881人。一方、西地区は+991人となっています。裾野市は西地区で、宅地分譲補助制度の成果が出ている事を強調していますが、裾野市の人口減少の主要因は集落地区であり、集落地域の対策を急ぐことが重要な事は明らかです。
※子育て世代の人口減少は平成22年からの10年間で、須山、富岡、深良、東の集落地区は合計▲2,926人(▲21.8%)、西地区は▲86人(▲1.6%)
子育て世代はいずれ20年後の自治体、地域を支える中心的な人材であり、社会減少の局面にこそ子育て世代に重点に集中的に政策を打ち、流出を防ぐことが必要です。将来の裾野市の地域を支える子育て世代への投資は今後の裾野市の持続的経営に不可欠です。
真の要因は表から見えない所にある
一般質問は時間が限られているので仕方ないのですが、積極的に問題を深掘りして議論するという状況にはなりませんでした。問題解決の初期の段階で起こりがちな、対策案に誘導するための現状把握、要因解析になっていないかと危惧します。
モノづくりの現場は「都合の悪いデータにこそ本質があり、思い込みがちな視点を変えるきっかけを与えてくれる」と、わたしに気づきを与えてくれました。問題解決で「ナゼ」を5回繰り返す、という事を口酸っぱく徹底的に叩き込まれましたが、これは「真の要因(真因)は、問題を起こす原因の更に向こうに隠れているので、問題を起こしている現象からは見えない遠い所にある」という事を示唆していると思います。
裾野市がいう「子育て世代の転出が超過しているのはナゼか?→住む場所(家を建てる土地)が無いからだ」では、子育て世代への訴求力を高める事は出来ません。都合の悪いデータから目を背けず、裾野市の政策全体を棚卸するところから始める必要があります。
森を見て木を見ず
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