活動レポートNo0015

井出さとる

 上の写真は、トヨタ自動車東日本株式会社様で生産されているJPNTAXI(ジャパンタクシー)を、裾野市役所庁舎の1階に展示した時の写真です。企業のご理解・ご協力と、裾野市の職員提案で市役所のスペースの有効活用が実現したとのことです。

JPNTAXIは、2020年オリンピック・パラリンピックに向けて、日本の観光の象徴として首都圏をはじめ全国に展開されるとのことです。

ゆでガエル

 裾野市の経済統計の調査結果を分析すると、県内43区市町のうち、製造品出荷額42位、従業者数41位、有形固定資産額40位、人件費額42位などといずれも低い状況です。さらに平成28年の子どもの出生数は直近の10年間で過去最低の453人となり、平成22年の644人と比較し▲191人(▲29%)となっています。

 

 企業の活動状況を示す経済統計の調査と、子どもの出生数に直接の因果関係を見出す事は難しいです。しかし出生数はまちの総合力の結果である事は、県の少子化対策の調査結果でも示されている事を踏まえれば、一定の相関関係がある、と見ることが妥当です。

 

 3月定例会で井出は、①事業を取捨選択して行政経営の資源を集中させるべき、②企業活動の根幹である交通インフラ改善(新東名高速道路へのアクセス)を早急に検討すべきとの提言を行なっています。しかし、「施設は利用目的毎に設置しているので機能統合は難しい」との硬直的な考えと、道路インフラ整備は行政の大きな役割であるにも関わらず「地勢的に設置が難しく、維持費負担も発生する」との答弁を繰り返し、設置困難の客観的な理由を示すまでには至っていません。

 

 裾野市の平成30年度の法人市民税額は昨年を上回る予測ですが、経済統計の調査結果では、リーマンショックを一番受けている年からさらに落ち込んでいる事などから、製造業などを取り巻く環境は100年に一度の大変革の中で、『生きるか死ぬか』という予断を許さない状況が進展していると理解すべきだと井出は考えます。

 

 しかし裾野市の答弁からは危機感を感じる事はできず「ゆでがえる」にならないかと危惧しています。

 

※ゆでガエル

熱湯に入れると驚いて飛び出すが、徐々に熱すると温度変化に気付かずにいずれ生命の危機に気づかずに茹で上がって死んでしまうという、環境変化に対応する大切さを戒めるたとえ話

報告① 放課後児童室の運営方法が改善されます

 これまで一般質問、会派の代表質問、会派の政策要望などで繰り返し要望・提言してきた放課後児童室の運営が改善されます。利用料金が月額1,000円上がり8,000円となりますが、標準預かり時間が前後30分づつ拡大され、例えば夏休みなどの朝の開室が7時30分から、夕方は18時30分が標準時間となります。(夕方の延長は19時まで)

 

 運営委託する事業者からは、新しいカリキュラムの導入、指導員の指導力向上や福利厚生の改善提案もあったという事ですので、利用者、指導員、市がお互いにWIN-WINの関係になると期待されます。

 

 今後は4年生から6年生の高学年の受け入れ範囲を拡大が重要な課題となります。これを推進するためには学校施設を有効活用する必要があると考えますが、教育施設を所管する教育委員会との話し合いがまだまだ必要との事です。国は平成31年までに受け入れ態勢を整備する事を自治体に求めています。教育委員会・市・事業者の連携で早期に課題解決が図られるよう、提言を続けていきます。

一般質問① せせらぎの湯は、ヘルシーパークに統合すべきではないか

井出さとる

 市税収入の低下が想定されている厳しい財政計画の中、裾野市のすぐれた資源であるヘルシーパークを積極的に活用する事で、利便性の確保と住民サービスの低下を防ぐという提案です。

しかし、3期連続で質問に取り組んでいますが溝が埋まりませんでした。

 せせらぎの湯を無くせと指摘している訳ではない。
厳しい財政計画の中でも、住民サービスを極力低下させないよう、選択と集中で利便性を確保しつつ、裾野市のすぐれた泉質を持つヘルシーパークの積極的な活用は、さまざまな年代の市民とのつながりも期待でき、各種福祉計画の計画理念とも一致する提案。
市財政の状況、せせらぎの湯の運営コストなどの見える化を行い、老人福祉センターの主利用者であるシニアクラブの皆さまと共に考えてみてはどうか。

 運営コストの見える化は、老人福祉センター以外の施設でも公表していないが、施設の運営継続や見直し、また利用者の公平な負担などを考える上で必要なことである。
しかし、老人福祉センターの利用者が運営コストを理解しても他の施設との統合や廃止などにつながることは少ないと推察するので、公表の効果は期待できない。

井出さとる

 市財政の課題は全市民で考える必要がある重要なテーマです。市民みずからが行政サービスの提供のあり方に対し、真っ正面から考える時期に来ていると考えます。

一般質問② 重度障がい者タクシー利用助成制度の見直しが必要では

井出さとる

 障がいをお持ちの方の困りごとを声出しで頂き、制度改正に繋げる事ができました。また福祉車両の整備促進の補助制度の創設に向け検討が開始される事となりました。

 重度障がい者タクシー利用助成制度の要綱は、市内に営業拠点を置く事業者のタクシー利用に限定されている。しかし市内事業者は福祉車両を配備していないため、現状では対象者が制度を利用できない状況となっている。
制度の見直しが必要では。

 福祉車両の配備や運転手の確保などの課題があり、事業者の営業が難しい状況となっている。裾野市内の3事業所に福祉タクシー導入を確認し、現時点では導入予定がないことを確認した。
そこで利用できる事業者を拡大することで利便性向上が図れるので、市外の事業者の参入を含め、制度の見直しを進める。

一般質問③ UD(ユニバーサルデザイン)タクシーの普及支援策が必要では

 UDタクシーは、車椅子利用者に限らず、足腰の弱い高齢者、妊娠中の女性、ベビーカー使用者など、誰もが使いやすい新しい小型タクシーであり、バリアフリーな公共交通網の整備に必要不可欠なインフラとなり得る。
UDタクシーなどの普及促進と共に、ユニバーサルドライバー研修の普及促進など、ソフト、ハード両面での支援策の展開が必要ではないか。

 UDタクシーの購入には、国、県等で購入補助の制度が創設されているが、市独自の補助制度の創設を検討する。また、ドライバー研修は乗降の手助けをするための知識、技術の習得などについて事業者と意見交換をしていく。

一般質問④ 学校の有効活用のために市長と教育委員会で協定締結をしては

井出さとる

 放課後児童室の高学年(4年生から6年生)への対応や夏休みなどの長期休業期間の対応可能性を高めるためには、指導員の確保と共に、安心して活動できる場所の確保が重要です。

子どもたちが安心して活動できるような整備が完了している小学校を有効活用する事は、合理的で信頼性の高い活用方法であり、積極的な活用に向けた仕組み作りが必要です。

 平成29年11月、2日に開催された第2回総合教育会議で学校施設の有効活用について議論が交わされている。会議ではグラウンド、体育館などの管理責任の所在、分離がしっかりとできる施設は現状でも積極的に開放いただいていることを高く評価しながらもグラウンド以外の施設の開放は、管理責任の所在が1つの大きな課題となっている。
その他の課題はあるか。

 放課後児童室を学校施設内でという考えは、当初は学校教育になじめない部分であった。しかし、子供たちを育てることに違いがないという事で学校教育でも克服してきた。
課題はまず施設面で完全に分離できる仕組みができるか、分離できない部分を学校教育以外で使える方法が開けるかが課題。また管理面で責任区分や保守管理の所在などの問題もある。

 千葉県千葉市では、市長と教育委員会が協定を結び、放課後児童室の整備、運用に対し責任所在を明確に取り決め、学校施設の活用に向けた仕組みづくりができている。
裾野市でも協定を結び責任所在の明確化を図る取り組みをしたらどうか。

 市長部局と教育委員会との間で協定締結が必要かどうかは別として、仕組みづくりは研究していきたい。
教育財産を活用するためのハード、ソフト両面の基本的な基準、条件などを市長部局、教育委員会との間で協議をすすめていくべきだと考える。

井出さとる

 放課後児童室を4年生以上への拡大に対し、大規模校(西、東、南、富岡第1)で目処が立っていません。

放課後児童室を分散開室すると、指導員の確保に影響する可能性があることから(1児童室に2人以上の配置が必要)、集約開室することが効率的な運用には不可欠だと考えます。学校施設の積極的活用への壁が高く厚いと感じます。

一般質問⑤ 新東名のインター、道の駅の整備を検討すべきではないか

 裾野市を取り巻く環境は大きく変化した。国の施策や制度も変更され、裾野市より立地条件が厳しいと思われる町でもスマートインターの整備が実現しようとしている。
 いま一度、裾野市も直結型スマートインターだけでなく施設併設型など、あらゆる手段の実現可能性の調査に取り組んではどうか。

 新東名高速道路の道路形態は、高架やトンネルが多く、直接に高速道路への連結可能と思われる適正箇所の選定が難しいこと、建設費や供用後の維持費が大きいことから、現時点でスマートインターの設置は難しく、調査に踏み切ることも難しい。

 経済統計を分析すると、リーマンショック以降、他市町では上向いているものが、裾野市では下落が止まっていない事が課題と考えている。
スマートインター設置の費用対効果をどのように考えているか。

 スマートインターでどの程度、経済統計が回復がするかという検討はしていない。
 維持費がどの程度かかるかは、片方向のスマートインターでおよそ3,600万円/年、両方向のスマートインターでおよそ5,300万円/年の経費がかかると算出している。

井出さとる

 ※時間切れで道の駅の質問ができませんでした…

経済産業省が報告した工業立地動向調査結果では、平成28年度は静岡県の立地は74件で日本一となり、前年比34.5%の増加となっています。さらに立地企業が重要視する選定理由として、交通利便性に大きくかかわる項目が上位を示されていることが明確に示されています

裾野市は経費のみを見て経済効果を見ていないという状況に、思わず「ゆでガエル」と指摘した次第です。

課題提起)まちの(相対的な)魅力の急激な低下で子どもが減っているのでは

井出さとる

※一般質問の中でデータを示し課題提起しました。

 子育て世代に裾野市で家族をつくり、子どもを産み育てようと決意して頂くためには、一番最初の入り口は「裾野市に対する魅力や憧れを感じて頂けるか」という事に尽きると考えます。そして裾野市に住み、子育てなどの生活を通じて、地域と繋がりを実感し、仕事や子育てが軌道に乗って来る段階まで来てようやく「愛着」になっていく、という事だと考えます。

 子育て世代の「ココロに直接届く」厳選した政策の早期展開が必要です。

出生数の推移

井出さとる

 人口減少への取り組み強化以降も、出生数の減少は止まっていません。出生率を計算すると平成28年で1.52と大幅に低下しています。(参考出生率はカッコ内数字で井出が独自に計算)

また裾野市では全出生の7割を25歳から34歳の女性がされているので、出生数の大幅な減少は、25歳から34歳までの女性の人口減少の影響が顕著に出ていると考えます。

 裾野市は女性人口の急激な減少に歯止めを掛けることが最重要課題と考えます。

女性の年齢別人口の推移

井出さとる

 裾野市では出生数が多い女性の年代は30歳から34歳です。予備軍である20歳から29歳の女性の人口減少も著しい事から、今後10年間は「このままでは」子どもの減少がさらに加速することが懸念されます。

平成30年3月の一般質問を通じて

井出さとる

 一般質問を通じて感じたのは「このままでは本当にマズイ!」という危機感が共有できておらず、例えば「少子化対策は道路と関係ない」という様な組織意識がいまだに根深いと感じました。

 人口流出が加速している危機感を、自分ごととするための課題提起を繰り返していきます。

編集後記

 最近「苦労してるんだな」と励ましのお声を頂く事が増えました。「どうしてそう思われるのですか?」と伺うと「だってレポートの1ページ目に…」とのお答えを頂きます。ついつい本音を有りのままに書いてしまいますが、裾野市も「より良くしたい」とは間違いなく思っていると思います。がしかし、流れている時間の感覚が違いすぎるのかもしれません。(=スピード感の違い?)

 

 裾野市の財政改善に残された時間は3年程度(貯金が底をつく=20億円を切る)です。「あれも、これも」ではなく「あれか、これか」という選択と集中の段階に入っています平成30年度も皆さまの声を市政に反映していくために、「直接お会いして、直接お伺いする」事を大切にし活動に取り組みます。

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